初めて登ったアルプス登山。
1日目の様子
体力がない人が北岳・間ノ岳縦走したら熱中症になったよ~1日目~
2日目の様子
体力がない人が北岳・間ノ岳縦走したら熱中症になったよ~2日目~
今回は、天国と地獄を両方体験した3日目のときの話。
体力がない私が真夏の2泊3日の登山を登ったときの登山日記。
体力に自信のない人の参考になればいいな。
3日目の天国編
3日目の天気はとにかく最高の天気
3日目は前日1日中雨が降ってた天気とは違って、朝から最高にいい天気。
富士山もくっきりはっきりしてて、「おはよー!」って言ってるみたい。
太陽も出てきて、この日の天気の良さを予想させてくれてる。
だけど・・・
この最高の天気によって、まさかの地獄をみさせられることになるとはこの時は露ほどにも思わなかったよ。
北岳山荘の朝ごはん
朝食は、定番の鮭。
だけど冷凍のヤツじゃなくて、ちゃんと生の鮭を焼いたもの。
山芋をすりおろした「とろろ」があったので、食欲がわかない朝には嬉しい”とろろかけご飯”。
朝食に納豆を付けてくれる山小屋もあるけど、私はこの”とろろかけご飯”のが嬉しいな。
いざ、間ノ岳へ
5時半ごろ、間ノ岳に向けて出発。
相変わらず最高の景色で、ワクワクが止まらない。
まだ早朝っていうこともあって、気温も低くて肌寒かったからこの時は本当にワクワクした気持ちしかなかったんだよね。
だってさ・・・
間ノ岳に向けた最高の稜線。
北岳山荘から間ノ岳のコースタイムは、およそ1時間30分。
写真の真ん中あたりにある丸っとした山頂が間ノ岳だと思ってたけど、あれはちょっとしたピークだった。
間ノ岳まではいくつか登って・下りてを繰り返してピークを踏んでいくから、途中で偽ピークがあって心折れやすいので要注意。
ほら、ちょっとしたピーク「中白峰山」。
ちょっとしたピークだけど、3,000m超えてるのがなんだか嬉しい。
いくつものピークを踏んでは、下って・・・
下ったら、またちょっとしたピークに向けて登って・・・
何度もこの上り下りを繰り返すから、朝から体力が削られる。
だけど、上り下りしてる間も景色はずっと最高。
吸い込まれそうになる谷にも、よーく見ると花がところどころに咲いてるのが分かる。
低山登ってたらなかなか見られない景色だなぁって、景色を見ながらゆっくりゆっくりと山頂へ。
何度も登って、下ってを繰り返して間ノ岳までおよそ1時間30分で到着。
間ノ岳山頂
間ノ岳の山頂は広々としていて、皆思い思いに写真撮影をしていた。
なので、私たちもこの素敵な景色にたくさんの写真を撮ったり、景色をぼーっと見て堪能したよ。
何と言っても間ノ岳から見る富士山は、圧巻!
年賀状の写真になりそう。
写真の真ん中でポーズを取ってる人は、私たちの連れではないけどとても絵になったからついつい写真撮っちゃった。
あなたも間ノ岳に行って、年賀状の写真を撮ってみてはいかがかしら?
富士山をもうちょいアップしてみた。
残雪期にここまで来たら、きっと富士山に雪が被っててとても綺麗なんだろうなぁ。
そんな時期に間ノ岳まで来れるだけの、技術・経験・体力を身に着けて見にいきたい。
ちなみに、1日目に北岳肩ノ小屋から見た夕日が落ちた富士山からは、ヘッドライトを付けながら登ってる登山者の明かりが見えたよ。
間ノ岳の眼下に山々が連なってるのがよく分かる。
それまで富士山や低山しか登ったことがない私には最高の景色でとっても感動。
で、
せっかくだから富士山でちょっと遊んでみた。
手乗り富士。
これを撮るのに、何度挑戦したことか・・・
間ノ岳から北岳山荘への道も最高だった
これ、この景色本当に最高!
北岳をバックに北岳山荘があるこの景色、カッコよくない?
この辺りで写真を撮ってる人が何人かいたよ。
私たちもせっかくだから、ここで写真を撮ってもらった。
私の顔だけ黒くしたら、首無しみたいでなんかちょっとコワイ・・・笑
このあとは、北岳山荘でコーヒーを頂いて休憩をして、デポさせてもらっていた荷物を持って山を下りるよ。
3日目の地獄編
北岳山荘から左俣コースで下りる
下りは行きとは違い、北岳を登らない左俣コースから下りたよ。
こっちのルートにも花がたくさん咲いていて、歩き始めのころは花が綺麗だなぁってゆっくりと写真を撮りながら歩いたの。
だけどね、この日は本当に天気が良くって日差しが強くてとっても暑かった。
体感気温は30度くらいはいってたんじゃないかなぁ。
少しずつだけど、気持ち悪くなってきたのよ。
でも、ここから先は気の抜けないルートが続くから、気持ち悪いだなんて言ってられなかった。
ほら、こんな階段が永遠と続くの。
落ちないようにずっと気を張りながら下りたよ。
ほれほれ、階段を下りてからも緊張の連続。
天気が悪かったらこのルートかなり危ないと思う。
緊張感がつづくはしごの連続が終わると、川沿いをひたすら下りていくよ。
川沿いを下る
緊張感がつづくはしごをいくつか下りると、川沿いのルートになった。
でも、この川沿いのルートもまた傾斜が急でザレてるから足を滑らせると、結構滑っていっちゃいそう。
コースタイムは2時間10分だったけど、気を抜くとズルっと滑って尻もちをついてしまうので、転ばないようにゆっくりゆっくりと下りたよ。
でも、この日差し・・・
北岳山荘を出てからずっと、日差しを避ける場所は全くないので常に強い日差しを浴びてた。
この時すでに私の体調に異変が。
ついに熱中症の症状を発症
北岳山荘を出てからずっと日差しを浴びながら歩いてきた私たち。
この川沿いのルートを歩いてる途中から、とっても気持ち悪くなるし変な汗は拭き出してくるし、頭もぼーっとしちゃって足もだんだんと踏ん張ることが出来なくなってきちゃったの。
で、喉が異常に乾くから水を飲もうとするんだけど、気持ち悪くて水も受け付けない状態だったのよ。
この時の私の顔は多分真っ青だったと思う。
水分は準備万端だった・・・はず
北岳山荘出る前に水を買い足したり、スポーツ飲料を作ったりして水分は1.5リットルを持ってたんだけど暑くて持ってた水分も1リットルくらい飲み干してた状態だったよ。
歩くペースが一気に落ちる
とにかく私は気持ち悪くてずっと座って「何もしたくなーい!」って感じで立ってるのもツラい状態だった。
暑さから逃れたいけど、日陰もなければ当然氷なんてものは持ってない。
でも、歩いて下りないと家には帰れないから一生懸命滑って転ばないように足を一歩一歩前に出して歩いたの。
見知らぬ人からもらった親切
相変わらず、気持ち悪くて休み休みゆっくりと下りてた私。
途中で座って休憩をしていたら、後ろから追いついた芸人”あばれる君”によく似た男性に声を掛けられたの。
どうしたんですか?大丈夫ですか?
実はこの男性、私たちが連続した階段を下りてるときに登って来てた人なんだけど、もう北岳に登ってきたのか河原で休憩していた私たちに追いついた強靭の足の持ち主。
私の状況を一緒にいた友人が説明をしてくれて、心配をしてくれた男性が親切にも
少しでも、お腹に水分とエネルギーを入れないと!これ、ちょっとでもいいから飲めそうだったら飲んで!
って、「アミノバイタル マルチエネルギー」を渡してくれたの。
※画像をクリックすると、Amazonのページに飛ぶよ。
アミノバイタル マルチエネルギーを私に渡して、その男性は颯爽と下りていった。
ガタイが良くて大きな荷物を背負いながらも、健脚で颯爽と山を歩いていった男性は山岳救助とか何か山に関わるお仕事をしてる人なんだろうか・・・
とってもカッコ良くて、スーパーマンかと思ったよ。
無事、下山
ゆっくりゆっくり歩いて、無事に広河原山荘まで到着。
たまたまこの日は、広河原山荘にどこかの大学の医学部生たちが常駐していたので私の症状を診てもらったの。
色々と体の症状を診てもらって、脱水症状が出てるからスポーツ飲料を口から取り入れるのが難しいようなら街まで下りて点滴を受けるようにとの診断をしてもらった。
ゆっくりと歩きすぎて、すでにバスの運行が終わった時間帯。
最終の乗合タクシーに乗って、なんとか駐車場に到着。
病院へ
広河原山荘の医大生に紹介してもらった病院へ行って、点滴を受けることが出来た。
点滴を受けると、体がラクになってなんとかその日に家まで帰ることが出来たよ。
まとめ
一緒に行った友人たちに迷惑をかけっぱなしだった、天国と地獄を見た3日目。
熱中症になった原因は、
・単純に体力不足で、疲れてご飯が十分に食べられなかった
・レイヤリングの失敗(半袖シャツの下に長袖シャツを着て熱を上手く放出できなかった)
・もっと積極的に水分を摂るべきだった
・ご飯の代わりに何か栄養になりやすい物を持っていくべきだった
などなど、様々な要因が重なって熱中症になったと思う。
初めてのアルプスは天国と地獄を見たけど、やっぱり間ノ岳から見た景色とか非日常の場所で過ごした3日間が楽しくて、それからも山登りは止めることなく今でも自分の体力に合った山登りをしながら楽しんでるよ。
これからアルプスを目指そうって思ってる登山初心者のあなた、命に関わるような無理はしちゃいけないけど、失敗をしてもいいからまずは挑戦をしてみてね~。
自分自身の山のレベルがグッと上がるよ。
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