2021年8月はじめ、御嶽山に登ってきました。
お盆に2泊3日の縦走計画を立てていたので、その週は日帰りで行ける山に行こうということで御嶽山に決まりました。
だがしかし、2021年の夏といえば全体的に上空の空気が湿っていて、天気が崩れる日が多かった・・・
その日の天気も曇りで15時ごろから雨が降るかもっていうでした。
元々の計画では濁河温泉から登って雷鳥を見て、五の池小屋でシフォンケーキを食べようっていう予定だったけど午後から天気が崩れそうだったから短いルートの中の湯温泉からのピストンとなりました。
今回のメンバー
わたしは、物心ついたころから「雷恐怖症」。
雷が鳴りだしたら、家じゅうの電気を点けてカーテンを全部締め切りにしてテレビの音量をかなり大きくして、なるべく雷を感じない環境にするくらい雷が苦手。
基本的に雷が鳴ってる時には外には出ないけど、職場から家に帰るときとか雷が鳴ってたときは、競歩競技かよってくらいの速度で歩くらしい(本人は必死だから、意識なし)
コケシの友人。
学生時代からアルパインクライミングをやってて、ゴリゴリに山に行ってた。
最近はアルパインよりかは、のんびり縦走登山や日帰り登山を楽しむ。
昔から山に登ってるから、高山には慣れてるはずなのに標高2,400~2,700mあたりから、必ず毎回高山病になって苦しむ。
高山病になるのは毎回のことだから、高山病になったら我慢をして歩くらしい。
今回あるいたルート
中の湯の駐車場から剣ヶ峰までのピストン。
登りは登り一辺倒、下りは下り一辺倒で標高1,800m~3003mまでの標高差が1,200mのルートです。
八合目までは階段だし、その先も比較的歩きやすいルートだから調子にのって登ると、高山病になりやすい山だね~
中の湯の駐車場
写真を撮り忘れちゃったけど、駐車場に到着したらたくさんの車が駐車してました。
駐車場には噴火注意情報の放送が常に流れてたけど、夜中の間もずっとあのアナウンスが流れてるんだろうか・・・?
駐車場で仮眠とってるときに、ずっとアナウンスが流れてたら嫌だな~
駐車場には登山届とコロナ調査の受付があって、そこで提出しないと登れないような感じでした。
駐車場登山口はすでに六合目
ここから八合目までは樹林帯の階段上りがひたすら続きます。
樹林帯ではずっとアブとスズメバチが至るところで飛び回ってたよ~
夏にこのルートを歩くときには間違えてハチを追い払っちゃうと、刺されて危険だから自分の周りに虫が飛んでてもひたすら我慢しながら歩こう
駐車場から1時間で、七合目に到着
七合目には小屋があって、この小屋の名物といえば「ちからもち」。
おしること、きなこ餅。
わたしたちは、下山したときに食べました。
おしるこは甘め、お餅が柔らかくて美味しかったです。
2年前に観光で両親と行ったときに、わたしは八合目まで登って両親はこの小屋で待ってて、両親だけ餅を食べてわたしは売り切れちゃって食べられなかったんだよね・・・
両親はやたらと「美味しかったよ~」って自慢気に言ってて悔しかったわ。
でも、2年越しでやっと食べられた~
七合目には社があった
小屋のすぐ裏に社がありました。
今回はお祈りしなかったけど、御嶽神社の社殿のようです。
今思えば、この後に起こることを考えるとここでお参りしておけば良かったな~
七合目の小屋から先も階段がひたすら続きました。
ここから八合目までも、ハチやアブがひたすら周りを飛び回ってて嫌だったな~
少しずつ、天気が怪しくなってくる
登り始めは天気が良かったものの、八合目に上がったころには雲がかなり上がってきて周りは真っ白。
風も出てきて、八合目から先はとても涼しかったです。
せっかく標高が高いのに、全然景色を見ることが出来ませんでした。
景色どころか、山頂方面も雲がかかってたよ~
季節も季節だから、雷とか鳴り出したら嫌だなってひそかに心に思ってたのよね
2年前に観光で来たときには、この八合目まで登ってきたのでここから先は初めて登ります。
色んな石碑が建っていて、信仰心の高い山なんだっていうのがよく分かります。
それにしても・・・墓石みたいなのが至る所に建てられてて、ちょっと不気味
修験者の団体が9合目の小屋から降りてくる
白装束を着た修験者の団体が法螺貝を鳴らしながら、9合目の小屋から下山してきます。
山梨県の七面山といい、信仰心の高い山にはちゃんと白装束で登る人がいるのよね~
なんだか、登山の格好してるのが間違ってるんじゃないかって思えてくる・・・
白装束の団体は20人くらいが並んで下りてくるから、どこですれ違おうか様子を見ながら登って行きました。
ちなみに、緑のザックを背負ったのはあ・た・し。
八合目に着いてから、ヘルメットを着用したよ
てか、わたしって・・・足短いっ!分かってたけど、分かってたんだけど・・・泣
この辺りから友人が
頭痛くなってきた・・・
高山病の症状が出てきました。
おそらくは、樹林帯が暑かったこととハチとアブに追われて速度を上げて歩いた為に、一気に標高を上げたせいなのではと思います。
わたしは、一週間前に立山三山に登りに行ってたおかげか高所順応していて、体調は良かったよ~
修験者にマスクをするようにアナウンスされる
修験者の団体をやり過ごすために、広い場所で下りてくるのを待ってました。
すると・・・
すれ違うときには、マスクをしてください!!
と、修験者のリーダーらしき人にマスクをするように注意喚起をされました。
でもさ・・・
修験者のなかにはマスクしてない人いたし、そもそもコロナ渦のなかで団体で歩くこと自体がどうなのよ?
他の登山者に注意出来る立場じゃないんじゃないの~?
って思っちゃいました。
友人の高山病で、スピードダウン
9合目あたりから、友人の高山病がだんだん酷くなってきたのか歩くペースが少しずつ遅くなってきました。
なので、立ち休憩を多めにとって水分をなるべく摂らせて様子を見て下山するか聞いてみたら、プライドなのか分からないけど、
大丈夫!ここからは、我慢しながら頑張って歩くだけだから剣ヶ峰まで登るよ!
と、本人のやる気は全然落ちてなかったので、ペースを落として登って行きます。
そういえば、9合目にある石室山荘付近は凄く獣くさかったけど、あの辺りは獣が夜中に集まる場所なんだろうか・・・
二ノ池が見えてきた
辺りは白いくて、よく見えないけど二ノ池が見えてきました。
二ノ池ってさ・・・エメラルドグリーンっていうイメージだったけど、噴火のときの砂のせいか泥沼って感じ・・・
友人も、昔はエメラルドグリーンって綺麗だったのにって言ってた
池が見えたら、剣ヶ峰まではあと少し。
この辺りで、かなり高山病でしんどいのか友人が
ふー・・・
しんどい・・・
ゆっくり歩くから、先に行って
とのことだったので心配だったけど剣ヶ峰まではあと少しだったので、先に歩かせてもらうことにしました。
剣ヶ峰直下にはシェルターが設置されていた
剣ヶ峰の直下には、立派なシェルターが設置されていました。
出来る事なら、ここを使うことない方がいいよね~
このシェルターの前でゆっくりと歩いてくる友人を待ってました。
すると、この辺りから雨がポツリポツリと降り始めます。
雨が降り始めちゃったよー!
・・・うーん・・・うーん・・・
返事をするのも大変なのか、ゆっくりなペースだけど一生懸命歩いてシェルターまで友人も到着しました。
剣ヶ峰に到着したら、雷が鳴り始める
最後のこの階段を登れば、御嶽山の山頂の剣ヶ峰です。
この階段を見上げた友人は一瞬、絶望的な顔をしたもののゆっくりと歯を食いしばって階段を登っていきました。
到着ー!!
ゴロゴロゴロ
え!?!?か、かかか雷!?!?
コワイコワイコワイコワイコワイコワイ
雷が鳴り始めたものの、せっかく剣が峰に到着したので山頂看板で写真を撮りました。
写真撮影をしてるうちに雨が強くなってきたので、レインウエアを着ることにします。
・・・・
高山病の友人は、頭がボーっとしてるのか立ち尽くしてました。
レインウエア着るよ!
ほら!そこのベンチに荷物置いてレイン上下だして!!
・・・あ、そうか・・・
登山のベテランでも、レインウエアを着るという判断が出来なくなってしまう高山病は恐ろしいなと思いつつ、友人にレインウエアを着せて下山準備をしました。
雷が鳴り始めました。
早めに下山をしてください。
剣ヶ峰に常駐していた神主さんがいそいそと片付けをしながら、私たち登山者に早く下山するよう注意を促してくれました。
ボーっとしていた友人も何とかレインウエアを着用できたので、すぐに下山を開始します。
すると友人がシェルターの前あたりで、
荷物が偏ってるから、荷物整理したい
先に歩いてて・・・
雷が鳴り始めて、雷が段々近づいてきてるこんな時に荷物の整理がしたいと言い出す友人。
今思えば、雷がどんどん近づいてるのにこんな悠長なこと言ってるのも高山病によって判断が鈍ってたのかなって思う。
荷物が偏ってて背負いにくくても、まずは雷が落ちなさそうな場所まで避難することが第一だって今ならそう思うけど、この時はついつい「わかった~」って友人をその場に置いてっちゃったんだよね~
そして高山病の友人を置いていく・・・
荷物を整理したいから先に行ってと言う友人を心配しつつも、先に歩かせてもらうことにしました。
とはいうものの、雷恐怖症の私は雷がどんどんと近づいているうえに切り開いている場所をひとりで歩くことで、恐怖で心がいっぱいになってました。
コワイコワイコワイコワイコワイ
歩きながら、ずっと「コワイ」をひたすら呟きながら歩いていました。
ゴロゴロゴロ
ヒィィィィィィィ!!!
ゴロゴロと雷が鳴るたびに、悲鳴をあげてました。
すると、私の歩く速度がどんどんと速まっていったのか何組かごぼう抜きしたようなきがします。
正直、このとき雷がコワすぎてあんまり記憶がないんだよね~
前を歩いていた何組かが私を避けてくれた記憶だけはあったんだけど・・・
雷が鳴ると、パニックを起こしちゃって。えへ
ふと、冷静になって後ろを振り向くと・・・
パニックを起こしながらかなりの速度で下山していた私ですが、ふと冷静になって友人のことをふと思い出します。
後ろから同じ速度で歩く足音が聞こえてきたから、友人が追いついてきたんだろうと思って後ろを振り返ると・・・
全然知らんおじ様が私についてきとったー 笑
高山病の友人はというと、はるか遠くで一生懸命歩いていました。
雷がどんどん近づいてきてとってもコワかったけど、友人が私に追いつくまでその場で待つこととしました。
友人が追いつくと・・・
友人がだいぶ近づいてきたときに、友人に手を振ると・・・
友人が目に涙をいっぱいためて、今にも泣きだしそうな顔してるやないかー!
高山病でしんどいのに私が爆速で下山していくから不安と寂しさでいっぱいだったのでしょうか、私の姿が見えて安心感で涙があふれ出てきちゃったんじゃないかと思います。
そこからは一緒に下山をしました。
そしてまた、友人を置いていく
九合目にある石室山荘まで友人と一緒に下山をするも、石室山荘を過ぎたあたりで
ゴロゴロゴロゴロ
ゴロゴロゴロゴロ
ヒィィィィィィィ!!!こわいよ~!!!
またもや、私ひとりでトレランかよっていう速度で下山し始めます。
熊笹のトンネルで身を少しでも隠せそうな場所で後ろを振り向くと、今度は高山病も治った友人が走って追いかけてきてくれていました。
雷が落ちる
八合目の小屋まであと100mくらいかなってところで、今から向かう小屋の方にイナズマが天からそそがれます。
1秒後・・・
ドーーーン!!!
何かが爆発したんじゃないかっていう音が響き渡りました。
ギャァァァァァァァァァァ!!!!
うぉぉぉぉぉぉぉぉ!
しばらくその場で身をかがめて行くかまだ様子を見るか、話し合いました。
というのも、そこから先は熊笹のトンネルを抜けてしまうので八合目の小屋まではふきっさらしで隠れる場所がありません。
下手をしたら自分に雷が落ちてくる心配があったからです。
あとから下山してきた人たちも、一緒に身をかがめて様子を見てました。
八合目の小屋では、たくさんの人が休んでいた
熊笹のトンネルでしばらく様子を見ていたけど、さきほど雷が落ちたってことはまだしばらくは落ちないのではという結論になって皆でまとまって八合目の小屋まで下りることとなりました。
コワイコワイコワイコワイコワイ
呪文かのようにひたすら「コワイ」を繰り返しながら、八合目の小屋まで無事に下山してきました。
小屋のすぐ近くにある避雷針からは煙が出ていたので、さっき落ちた雷は避雷針に落ちたんだと思います。
小屋の中にはたくさんの人で溢れていました。
なので、またいつ雷が落ちるか分からないし避雷針が小屋のすぐ近くだからってことで、八合目では休憩をせずに樹林帯へと逃げ込みました。
七合目の小屋で餅を食う
ずっとゴロゴロ鳴っていたものの、樹林帯に入った安心感からそこからはゆっくりと下山をしていきました。
山頂から八合目までは爆速で下山してきたのと、緊張感があったので樹林帯に入った途端に集中力が切れて一気に疲れが出てしまいました。
今度は私がヘロヘロしてきたので、七合目でお餅を頂きながら休憩を取ります。
行きでは、お餅美味しそうって思ってたけど、雷の恐怖から食欲が全然なかったのよね~
美味しかったけど、あんまり食べられなかったのよ
餅が柔らかくて美味しかったけど、甘めなので甘いのが苦手な人にはちょっと厳しいかもって感じでした。
まとめ
初めて山頂まで行った御嶽山は色んな意味で、思い出に残る山行となりました。
友人は登山のエキスパートだけど、
今まで雷にあったことが無かったから、正直どうしたらいいのか分からなかった
とのことでした。
まずは雷が鳴るであろう天候の日には登らないことが前提だけど、どうしても山で雷が鳴り出してしまったらどうするべきなのかこれから勉強をしていきたいなと思いました。
間違っても高山病の人を置いていっちゃったらダメね
高山病の勉強もしていきたいなって思ったよ~
私のようにパニックを起こして一緒に山に行った人を置いていくようなことは、絶対にしないでくださいね。
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