私の幼少期
私は生まれつき心臓の心室に穴が開いている心室中隔欠損症という病気です。
生まれたころから穴は3ミリだそうで、成長の過程で穴が小さくなったり塞がったりするかもという話もありましたが、大人になった今でも穴は3ミリを持続しています。
20歳になった年、医者からは
「もう穴がふさがることはないだろう」
と言われました。
一生付き合っていく病気と確定した瞬間です。
赤ん坊の頃は体の抵抗力も少ないこともあり、薬を飲んでいたようです。
熱が出ると危険があるということで親はなるべく風邪を引かないように気を配っていたと話を聞きました。
この病気はミルクを全然飲まないのが普通のようで、私もそのとおりにミルクをほとんど飲まない赤ん坊だったようです。
離乳食が始まってもご飯をなかなか食べなかったようで、メロンのような甘くて汁っ気のあるものだったらよく食べたそうです。
そのおかげか、今でも好物はメロンです。笑
20歳になるまで穴がふさがったり合併症が出るかもしれないということで、年に2回病院に通って診察を受けていました。
夏休みと冬休みのタイミングで病院に通っていたのですが、当時の病院は今と違って予約をするというシステムがまだなかったころの時代です。
長期休暇に病院に行くと2~3時間の待ち時間は当たり前で、何年かに一度は追加の検査があるのでそうなると夕方近くまで病院に監禁される状態でした。
大人でもそんな長い待ち時間を待たされるのは正直、ウンザリですよね。
でも、当時の私には夏休みや冬休みの楽しみのイベントだったんです。
というのも、私が病院で飽きないように、親がたくさんのご褒美をくれたからだったのかなって今は思います。
・普段外食をしない家庭だったから、その日は家以外の場所でご飯が食べられる
・好きな本をたくさん買ってくれる
・電車に乗っていくから、ちょっとした旅行気分が味わえた
・大好きなお菓子をたくさん買ってくれた
などなど、私にとっては病院に通うのは楽しみの一つでした。
生活するにあたっての制限
ありません。
運動に対しての制限は全くありませんし、生活をする上でも何も制限がありません。
ただし、親知らずを抜くなど抜歯をする時は病院で抗生剤を処方して頂けるようなので抜歯する時は一度病院に来てくださいと言われています。
歯から心臓に菌が入る事があるので、なるべく歯は虫歯が無いように気を付けてくださいと言われているので私は毎年定期的に歯医者に通うようにしています。
また、妊娠・出産に関しても問題無いようです。
山登りと心臓病
山登りを始めて約1年が経った時に富士山に登る事が決まりました。
それまでは2,000m以下の山にしか登った事がなかった為、標高が高くなっても大丈夫なのか不安はありました。
まずは、私の病気でも富士山に登っても大丈夫なのかネットで調べてみた気がします。
心室中隔欠損症を患っている人は2,000mを超える標高は良くないというような内容のページを見ました。
一方で同じ病気を患っている人が3,000mを超える山を登ったけど全然問題は無かったという投稿ページも見かけました。
結局のところ、ネットでは分からなかったので直接病院まで聞きにいきます。
私:先生…山に登っても大丈夫なんでしょうか?
先生:・・・山?えっと…エベレストとか海外のような高い山?
私:え???あ、いや・・・富士山なんだけどー・・・
先生:あー!富士山ね!それなら全然問題ないよ!というか、日本の山の標高なら全然問題ないよ!
私:(日本の山の標高なら?もうちょい高い標高の山は?)そうなんですね!よかったぁ~
このとき、先生は少し引っかかるようないい方だったけど、海外の山に登ろうという気持ちは今でも無いので、結局そのあたりまでは突っ込んでききませんでした。
また、心室中隔欠損症だからといって高山病になりやすいということもないそうです。
もし、高山病になったとしたらそれは「その人の体質です」とはっきりと言われました。
かかりつけは小児科
大人になった今でも小児科に通っています。
先天性の病気は小児科で受診をするというルールがあるようなので、おばあちゃんになったとしても小児科で受診をしなければならないようです。
遺伝の可能性
遺伝のリスクは高いと思います。
私のいとこは同じ先天性の中隔欠損症で生まれ、穴が大きかったようで幼少期に手術をしているようです。
今のところ、兄弟やいとこの子供が心臓病だという話は聞いていません。
心室中隔欠損症で悩んだこと
このブログを読まれている中には同じように心室中隔欠損症を患っている方もいれば、お子さんが心室中隔欠損症だと診断されている方もいるかと思います。
私の場合は穴もそんなに大きくなかった事もあり、特に制限もなく合併症も発症することなく無事にこの年齢まで生きています。
私のいとこも幼少期に手術はしているものの、今ではごくごく普通にサラリーマンをやって家庭を持って幸せに生活をしています。
私は生まれた時から心臓に病を患っていることは当たり前な事だったので本人としては特に心配はないと言ったら嘘かもしれませんが、あまり悩んだことは無かったように思います。
これは嫌だったなって思うことはいくつかありました。
・大人から病気で可哀想な子っていう目で見られる
・学生時代の内科検診
大人から病気で可哀想な子っていう目で見られる
これって案外やりがちだけど、子供ってこういうことに結構敏感なんです。
他の子と接し方が違うなぁ~とか。
アホな大人は「この子のことを心配している私」に酔いしれちゃってたりね。笑
子供ってこういうのすぐに分かるので、病気だからといって他の子と違う接し方をしないようにするといいかもですね。
学生時代の内科検診が嫌だった
学生時代の内科検診といえば、クラスごとで保健室に行ってパーテーションに区切られたスペースに1人ずつ入って検診してもらうという方法でした。
特に問題の無い子の検診は1~2分もあれば終わってしまいます。
それに対して私は、病気について色々と聞かれます。
・どこの病院にかかっているのか
・なんという名前の先生にかかっているのか
・どのくらいの頻度で病院に行っているのか
・何か制限とかは無いのか
だいたいこれらのことを毎回聞かれました。
今思うと、「どこの病院でどの先生に診てもらっているのか」という質問は、検診に来た先生の単なる興味本位なように感じます。
これって個人情報ですし、それを聞いたところで何か意味があるのでしょうか。
「あんな病院のあんな先生に診てもらっているのか・・・」みたいなちょっとした優越感とかを感じたいのでしょうかね。
私が診てもらっていた先生はその道でも有名な方なようだったので、どの内科検診の先生に言ってもだいたい「あ~!〇〇先生ね!」という感じでしたが・・・
話が脱線しましたが、これらの事を質問されるので私の内科検診は5分以上かかっていました。
小学生って他の子と違う子のことにやたらと敏感になって、興味津々じゃありませんか?
もちろん、内科検診に5分以上かかっていた私もクラスの子たちに「どこか悪いの?」とか「なんでそんなに時間かかったの?」とか散々聞かれました。
私は友達とかにわざわざ心臓病であることを話していなかったので、これは本当に嫌でしたね。
毎回、内科検診で聞かれることは同じなので診断書に書いておけよ!って子供ながらに思っていました。笑
まとめ
このブログを読まれている人の中には、同じように心臓に病気を患っていたりお子さんが心臓に病を抱えている人もいるかと思います。
私の場合は心臓病の中でも軽めな心室中隔欠損症なので、特に制限もなく今のところは合併症も併発していないので参考にはなりにくいかと思います。
運動の制限はないとはいえ、健康な人と比べると体力がどうしても劣るのでそういった部分ではとても悩みました。
そのことについては、今度書こうかと思います。
私自身は普段は病気のことについて気にして生活をしているわけではないのですが、子供のころに病気を患っているっていうだけで大袈裟に病人扱いしてくる大人がいました。
本当に心配してくれている人もいたと思いますが、正直いうと鬱陶しかったというのが感想です。
もし、あなたのお子さんや周りに心臓に病気を持っている人がいるとしても、他の人と変わらずに普通に接して欲しい・・・子供のころの私はそう言うと思います。