脱毛症とひとくちに言っても、種類がいくつかあります。
私の場合は、頭の髪の毛が全体的に抜ける全頭脱毛症です。
私のように髪の毛がすべて抜けてしまって困っていたり、不安に感じている人も多いのではと思います。
今では脱毛症が当たり前のように過ごしている私ですが、脱毛症になった当初は不安ばかりで病院に通って様々な治療を受けました。
同じように不安でいっぱいの人の参考になるように知識を集めてみました。あなたの不安が少しでも少なくなりますように・・・
なんで毛が抜けるの?
脱毛症の中でも一般的に知られているのが円形脱毛症です。
これは、毛髪が円形型に脱毛をしてしまう病気ですね。
ストレスでこの円形脱毛症になる人も少なくないのではないのでしょうか。
主な原因としては、ストレス・体質・感染症・アトピーなどです。
ただし、円形脱毛症になる原因ははっきりとしないことがほとんどです。
円形脱毛症になってから病院に行くと聞かれるのは
「2~3か月前に何か大きなストレスがかかる事がなかったか?」
というのも、体にストレスや疲労・そのほかの負荷がかかることで、毛根を攻撃して毛が抜けるまでの期間がおよそそのくらいの時間がかかると言われているからです。
私も初めて脱毛症になったとき、足を骨折するという負担とストレスがかかった2ヶ月後に円形に脱毛が始まりました。
ただし、私の場合は円形脱毛症ではとどまらずに、どんどんとハゲが広がっていきましたが・・・
このように、本来は体の中に入ってきたウイルスなどをやっつける免疫君「T細胞(Tリンパ球)」がストレスやその他の負荷によって暴走し、毛根を攻撃してしまうという免疫の疾患が脱毛症です。
それだけではなく、毛髪はもともとホルモンの分泌によって栄養を保っています。そのホルモンがうまく分泌されないことによって、毛根に栄養がいかずに毛髪が抜けてしまうこともあるようですね。
その場合は、免疫疾患とは別で甲状腺機能の低下などによるホルモン分泌の異常によるものと考えられます。
このように脱毛症にははっきりとした原因がつかめないことが多いので、長い間脱毛症に悩まされる人は少なくありません。
脱毛症の種類
脱毛症は、脱毛する範囲や頻度などによって種類が分けられます。
また、脱毛症の治療法は日本皮膚科学会と呼ばれる社団法人が「円形脱毛症診療ガイドライン」を決めています。
このガイドラインは、現在の医療では有効だろうと思われる治療法を決めています。
単発型
多発型
蛇行型
全頭型
汎発型
脱毛症になる原因
まずは、アトピーによるものといわれています。
というのも、脱毛症疾患の人の半数近くの人には、アトピー性皮膚炎・気管支炎・アトピー性鼻炎を持っているといわれています。
このことから、脱毛症とアトピーにはなんらかの関連性があるのではと考えられています。
全頭脱毛症の治療法
・局所免疫療法
・内服薬の投与
・冷却治療
・紫外線治療
・直線偏光近赤外線照射療法
・ステロイドパルス療法
ステロイド局所注射
局所免疫療法
SADBE、DPCPという薬剤を頭皮に塗って皮膚を軽くかぶれさせて頭皮に刺激を与えて毛髪を生えさせる治療法です。
別名「SADBE療法」とも呼ばれています。
この治療方法は円形脱毛ではなく、広い範囲で脱毛をしている状態が6か月以上続いている場合に適用されます。
治療を開始する前には、強いかゆみやかぶれが出ないことを確かめるパッチテストを行います。
内服薬の投与
ステロイド内服薬・セファランチン・グリチルリチンなどの内服薬を飲むことで、体内から発毛を促す治療法です。
薬を体内に取り込むので、副作用も出てくることもあります。
セファランチンは、内服することによって胃の不快感や不調をきたします。
ステロイドは、糖尿病や生理不順・消化器官不全などを引き起こす可能性があります。
副作用があるわりには、効果が高くないと言われています。
冷却治療
紫外線治療
直線偏光近赤外線照射療法
なんだか格好いい名前の治療法ですね。
この治療は、赤外線が体内の奥の方まで届かせて自律神経を刺激する治療法です。
赤外線自体は、体に害が少ないので比較的副作用が少ない治療法でしょう。
赤外線を直接脱毛部分に照射するので、多少の痛みはありますが発毛が促進しやすい治療法のようです。
この治療法は単発型や多発型の脱毛症患者に使用されることが多いようです。
ステロイドパルス療法
ステロイドを点滴によって、体内にステロイドを投与する治療法です。
ステロイドを大量に投与するため、入院が必要となります。
この治療法は、脱毛症の発症が6か月以内の患者には有効ですが、6か月以上経過している患者にはあまり効果がみられなかったそうです。
ステロイドを体内に大量に投与するので、不眠、動悸、頭痛、微熱、倦怠感などの副作用があります。
そのため、お子さんに対してこの治療はおこないません。
全頭脱毛症の原因
はっきりと原因はつきとめられていませんが、日本皮膚科学会では全頭脱毛症の原因は自己免疫応答によるものだろうとうたっています。
「自己免疫応答」とは、本来体内に入ってきたウイルスや病原菌をやっつける働きをしている免疫が、なんらかの原因によって毛根を攻撃してしまうことです。
この自己免疫応答は、毛根にかぎらずさまざまな臓器などでも症状がみられ、様々な病気を引き起こしているようです。
免疫が自分の毛根を攻撃してしまうメカニズムや、それに対して有効な薬などがいまだ開発されていないので早くこのメカニズムを阻止してくれる治療法がみつかることを祈っています。
全頭脱毛症の生活のしかた
髪が抜けて坊主の状態でも、気にせずにほかの人と同じように生活することが一番だと思っています。
そのためにも、ウィッグを被ることをわたしはオススメします。
というのも、わたし自身は1泊や2泊で山登りするときにはウィッグがズレたり、ニオイを発することを考えてウィッグを被らずに帽子だけの姿で登ります。
だけど、この姿っていうのは登山の格好も格好なだけに性別が不明になるんですね。笑
泊まりで行くような山登りの場合は、女性をアピールする必要がありませんがどうしても奇異の目を浴びます。
一瞬、みなさんに奇異の目を向けられますが(多分、女の子?男の子?どっち??という目)、山という過酷な環境なのでそこまで他人にかまっていられない状況ということもありその一瞬を我慢すれば、みなさん見慣れてくれます。
だけど、これが街中だったらどうだろう?
街中でウィッグを被らずに坊主頭に帽子の姿で出かける・・・
普段、そんな女性らしい格好をして出歩くわけではないけど、私は勇気が出ません。
私の中では、坊主頭に帽子の姿ってどうしても抗がん剤治療している人の姿にリンクしてしまいます。
もし、そういった姿で職場の面接に行ったとき、どう思われるんでしょう?
抗がん剤治療をしていないのに、髪の毛がないのって
「精神的に何かしらの問題を抱えている人なのでは・・・」
と、思われてもしょうがないのかなって私は思っています。
もし仮にそれで面接が受かったとして、職場で会う人、会う人にいちいち
「私は脱毛症で・・・」
と説明をするのもなんだか面倒そうですし。
最近のウィッグは優秀です
最近のウィッグの進歩って本当に素晴らしいものです。
昔はウン十万と掛かっていたウィッグですが、最近のものは安いものならば10万円以下でつむじも作られており、ウィッグばれしにくいようになってきています。
ものによっては5万円以下でも購入出来るものもたくさんありますが、そこまで安いウィッグはテカテカと変にテカりがあり、ウィッグ被っている感が出るなって感じます。
そこで、私がウィッグを選ぶときに気を付けているのは
5万円以上、20万円以下のものです。
そもそも、脱毛する前はショートヘアということもあり2~3か月に1度美容院に行ってカットしてもらったり、染髪してもらっていました。
当時、美容院代として掛けていた費用は1回に1万5千~2万円だった気がします。
それを年間で考えたとき、およそ5万円~8万円くらいは掛かるでしょう。
脱毛する前でも年間で髪にそのくらい費用を掛けていたので、ウィッグにも最低そのくらいのお金を掛けるべきだなって思っています。
ウィッグ保有者のウィッグの使用の仕方は人それぞれだと思いますが、私の場合は一つのウィッグを買ったらそれを毎日使います。
そういう使い方をしていると、ウィッグの髪の質や頭周りのゴムや網の耐久性的にも頑張って使っても、1年が限界かなって思っています。
私のような使い方をする人は、5万円以上20万円以下のウィッグを使用することをオススメします。
5万円以下のウィッグが良くない理由
5万円以下のウィッグをいくつか所有して、髪型をその都度ファッションの一部として楽しむという使い方をしている人もいるかと思います。
もし、その人の人柄(キャラクター)がファッションを楽しむ女子で、しょっちゅう髪型が変わっても大丈夫な職場なら問題ないのかなって思います。
でも、たいていの人はなるべくウィッグばれしなくて、目立たないように髪がある人と同じように・・・と思っている人も多いのではないでしょうか。
あとは、単純に普通の会社に通っているとしょっちゅう髪型が変わるって正直どうなんでしょう?
それに、5万円以下の安いウィッグってなんだかツヤツヤしていたり、つむじが無かったり、すぐに毛が抜けてしまったりと使っていても正直気持ちが良くないように思います。
半年~1年しっかりと使用できて、自然な髪のように見せることの出来るウィッグって安くても5万円は必要だなって思っています。
なので、私の場合はウィッグにある程度のお金がかかったとしても、それは脱毛前の美容院代と一緒と思って出資しています。
そのおかげか、美容師の人以外からはウィッグだとバレたことがありません。
20万円以下の理由
お金を出せば出すほど、それなりにいいウィッグを購入することが出来るので上に上限はあまり考えなくてもいいとは思います。
とはいえ、平成~令和のこの時代のウィッグの相場で考えたとき、頭の寸法を測ってもらって自分だけのウィッグ(オーダーメイドウィッグ)をつくったときの金額がだいたいどこのショップも17~20万円という気がします。
オーダーメイドではなく、すでに作られたウィッグを購入する場合は6~15万円が相場だと思います。
それを考えたとき、もし20万円以上の金額を提示された場合はそのウィッグの購入を検討した方がいいと私は思います。
※私が上記のあげた金額の相場はあくまでもウィッグ本体価格で、そのほかにカットや染髪やその他のサービスは金額に含んでいないので、別途かかることを頭に入れておいてください。
脱毛症になってからの恋愛事情
もちろん、恋愛的な出会いもあるでしょう。
経験的に、そういう関係になってから脱毛症を告白したとしても、受け入れてくれる人は結構な割合でいるかと思います。
私の経験上、ありがたいことにそういう関係になってから脱毛症を告白しても受け入れてくれる人はいました。
きっと、相手とちゃんと関係性が作れていればきっとあなたの事を受け入れてくれることでしょう。
「普段はウィッグ姿だから忘れてた・・・w」
みたいな。
ウィッグって、髪型を自由に出来るっていう強みがありますよね。
もし、
「脱毛症の私なんか相手にされない・・・」
って思っているなら、ウィッグをうまく利用してみませんか?
脱毛症の人の中には、
「本当の自分を知ってもらってすべてを受け入れて欲しい」
「ウィッグを被っている自分は、詐欺だ」
って思っている人も多いのではないでしょうか。
そんなことを言ったら、化粧をしている女性全員が本当のその人ではなく、詐欺行為を常にしているということではないでしょうか?
私はウィッグを被ることは化粧と一緒で、あなたをより美しく魅せるためのものだと思っています。
まずはウィッグを駆使して、あなたを知ってもらうきっかけを作ってみませんか?
私の経験
まず言っておきますが、私は童顔だけど決して女性らしくはないですし、綺麗でも全然ありません。
新品のウィッグを購入しに、とある美容院へとおもむきました。
新品のウィッグを試し被りしたときに、
「元カノに似てる・・・」
と、恋心を抱いてくれた家族持ちの鬼畜な美容師さんがいました。
つまりは・・・
普段ウィッグに慣れ親しんだ美容師さんの心をも掴んでしまう、ウィッグパワー
という気持ちのある人には、ぜひウィッグをうまく利用して欲しいなって思ってます。
ウィッグ被って出会いの窓口をどんどん広げちゃいましょうよ!
ウィッグ被ると案外すんなりと色んな人が受け入れてくれるので、自分に自信が持てるようにもなることが多くなりますよ。
まとめ
脱毛症になった当初は、普通の人が普通にすることが出来ないことが多くて欠陥人間だなって自分自身を惨めに感じていました。
はやく元のように髪が生えて欲しいと思い、病院に通って治療に専念もしていた頃もあります。
病院で治療をするとある程度効果が出て、ちゃんと生えそろったときもありました。
しかし、きっと私の中で一度ストレスを感じると毛根を刺激する・・・というスイッチが入ってしまっているようで、せっかく生えそろった毛もちょっとしたストレスにより、また抜けてしまうことになります。
そういった事を何度も繰り返していたので、だんだんと病院に通って治療をすることが億劫になっていきました。
今では自然に生えてくることを気長に待つこととしています。
ありがたいことに、友人に脱毛症であることを告白してその姿を見せたとしても、私は私だと普通に受け入れてくれています。
しかし、なかには脱毛症と告白したところ受け入れてもらえなかった事もありました。
だからといって、その相手が悪いわけではないですし、それで切れてしまう縁ならそれはそれで良しとしようと考えています。
「すべてを受け入れて!」
と思うのは、傲慢だなと思いますし考え方は人それぞれなので、受け入れてもらえなかった相手とはそういう距離感で付き合っていけばいいと思います。
ただ、脱毛症を告白したことで相手から逆に脱毛症なんかよりも、凄いことをカミングアウトされるという事も数多くあります。
普段付き合っている分には決して見えないところで、みんなそれぞれ悩んでいることがあるんだなぁって脱毛症になってから初めて実感することが出来ました。
お互いになかなか他人には言えない事をカミングアウトしたことで、仲良くなれたというケースもたくさんあります。
脱毛症って不便に感じる事がたくさんありますが、普通に生活をする権利はあるのであまり気にせずに人生楽しんじゃいましょう!